たかひきあの日常ブログ

はじめまして  たかひきあ と申します。 大学卒業後、大手製薬メーカーに製造職として入社し約8年勤務 役職の重圧と異動による人間関係の悪化により適応障害を発症 休職を経て退職 現在は個人事業主として活動中 このブログでは退職後の日常や趣味について書いていこうと思います! よろしくお願い致します。

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嫁の小説シリーズ1-2  続きになります^^

では、シリーズ1の続きです!

 

 

 

 

フードを目深にかぶった私は依頼内容が掛かれているボードの前に立っていた。

今までは適当なものに手を出して、素早く受付にもっていっていたのだが、なんだかギルド内の様子がいつもと違う気がして周囲を見渡したのだ。

(そっか、なんか違うと思ったら女性の冒険者が増えたのね)

今までは体の大きいむさくるしい男が多かったのだが、女性もそれなりに増えていることがわかった。

女性が増えるだけでこんなに居心地がよくなるとは…!

いい方向に変わってくれて嬉しい限りだ。

「女性の冒険者ってこんなにいたんですね」

「最近増えたのよ」

「最近?」

「ええ、赤髪の女神様のお陰よ。あの人のお陰で女性でも冒険者を目指す人が増えたの」

ギルドに華やかさがあって受付をやっている私も嬉しいわと笑っている。

「その赤髪の女神ってよくくるんですか?」

「いいえ、私も受付をやって長年経つんだけど赤髪の冒険者はみたことないのよね。だから冒険者じゃないとは思うんだけど……

でも素晴らしい魔法であの大火事を沈下していく姿をみて、魔力量が少ないって言われる女性でもあんなことできるなんてすごい!って憧れる女性が増えてね。

皆が女神って呼んでるのは、聖女様はもういらっしゃるらしいから、尊敬の意味を込めてあの方を”女神様”と呼ぶようになったのよ」

ふふっと微笑みながら、受付の印を手渡した依頼書に押していく受付の女性。

私の依頼達成率が高いことから、もう複数受注になにもいわなくなった。

「私も赤髪の女神様みてみたいです」

「レンちゃんもいつか見れるわよ」

レンというのは、冒険者としての私の偽名だ。エレンだから、レン。

安直だけれども覚えやすいし、反応だってしやすい。

「気を付けていってらっしゃい」

にこりと微笑まれて手を振ってもらえるようになってから、ここが私の第二の家なのだとも感じるようになった。

町の中には色んな人がいて、色んな人が色んな仕事をしている。

だからこそ毎日色んな内容の仕事がギルドに持ち込まれるのだ。

今日は運搬系の仕事を主に引き受けた。

もう12歳になった私はそれなりに体も大きくなったので、普通に魔法が使えても不思議じゃない見た目になったのだ。

元々から魔法を使える設定をしてはいたが、やはり体の大きさに伴って魔力量が備わると考えられているので、あまり多く魔法は使えなかったのだ。

それを今は見た目も大きくなったことから解禁して、もうめちゃくちゃ魔法を使っている。

依頼主の元に行くと最初は渋っていたが、空間魔法を見せつけるとあれもこれもと寄越してきて、報酬はギルド経由だから変わらないにしても、昼食代をくれたりとサービスしてくれるのだ。

公爵家の令嬢がと思われるかもしれないけれど、令嬢として贅沢をしてこなかった私は平民よりは金銭感覚が高いかもしれないが、狂っている方ではないと思っている。

それに自分で稼ぐことでお金の大切さがわかったのだ。

今はサイズが合わなく着れないだろう家にあるクローゼットのドレスで、何日…いや何カ月暮らせるだろう。

となると昼食代だけでも平民にとったらとてもありがたい金額なのだと考えるようになった。

……ん?ドレス空間魔法に入れて売り飛ばしたらいい金額になるんじゃ…。

そして事件が起こった。

いきなり町中で男が暴れだしたのだ。

近くにいた警備を担当している騎士たちが男を取り押さえる。

が、それなりの体格をしている男は刃物を振り回すだけではなくて、魔法を連発しだしたのだ。

魔物なら男を取り押さえるだけでなんとかなるが、魔法を放たれたら騎士たちは住民を守る方に徹してしまう。

そもそも騎士の数に住人の人数が多すぎるのだ。

小さな男の子が泣きながらギャラリーの中から飛び出す。

人混みで親とはぐれてしまったのだろう、潰されないように人混みの中を抜け出した様子だった。

そんな男の子にトチ狂った男が魔法を放つ。

(ああ!もう見てられない!)

瞬間移動で男の子の元に移動して、結界魔法を使った。

勿論結界にはじかれて魔法が飛び散らないように、結界に男の魔法を吸収させる。

泣いている男の子の頭を撫でて「大丈夫だよ」と微笑むと、男の子の涙が止まった。

私は暴れる男に近づく。

(酒くさ…)

まだ数歩分離れているのに漂う酒の匂いに私は眉をしかめた。

どうやら酒に酔って暴れている様子だった。

テロリスト疑惑がないことに安堵はしたが、こんな昼間からこんなになるほど飲むものではないだろう。

酔った焦点の合わない男のガンつけに、私は恐れることもなく男に手をかざして、魔力のリングで男を拘束した。

男は酒の影響もあり、バランスを保てずにその場に倒れ込む。

そこに騎士達は男に駆け付けた。

住民たちを守っていた騎士たちは少し火傷を負っていたため、私は治癒魔法をかけて治していく。

「めがみさまだぁ!!」

男の子がいった。

周りの人たちが騒ぎ出し私を囲む。

「ちょ!ちょっとまって!私は女神じゃないわ!」

あまり目立ちたくないからフードを目深にかぶっていたのだけれど、勘違いされても困る。

見てとばかりにフードをとり、皆に赤髪ではない銀髪を見せつけた。

騒がしさは少しだけ収まったが、男の子だけは目をキラキラさせたままだった。

「おんなじおかお!ぼくみたもん!ぼくのおうちについた火をけしてくれためがみさま!

ありがとう!きょうもたすけてくれてありがとう!!」

にこにことお礼を言われてはなにも言えなかった。

とりあえず、男の子の家の火を消したのは本当に私かはわからないが、今日男の子をあの酔っ払いから守ったのは事実だ。

「怪我がなくてよかったわ」

素直に受け止め男の子の頭を撫でていると、騎士の一人が呟きが耳に入る。

エレン・ペイジー令嬢…」

バッと振り返ると、いつしか王城で見かけた騎士がそこにいた。

急いでフードを被って、首にぶら下げている冒険者カードを掲げる。

「わ、私は冒険者のレン!まだDランクだけれども、もっともっと頑張ります!」

ではー!依頼に来る際は指名してくれると嬉しいわ!と捨て台詞をはいてその場から立ち去った。

(お願い!どうか!どうか!)

と私は寮に帰って、登校ぎりぎりの時間まで部屋で祈っていた。

別にやましいことは……、してないとは言えない。

だって貴族令嬢が、冒険者として活動しているってこと自体卑しいことなのだから。

貴族子息だって冒険者としては活動しないのだ。

そういう経験をしたければちゃんとした手続きを行い、騎士の一員として活動し、経験を積む。

それに私が婚約破棄または婚約解消の後、あの家から放り出されても生きていくようにとの手段として今までやってきたのだ。

婚約解消を前提とした行為だが、それをコンラッドが知ったら傷つくに決まっている。

あの優しい人を悲しませるのは、辛かった。

だからどうか、冒険者のレンとして、エレンとは別人だと認識を改めてくださいと心の中で祈り続けていた。

そしてコンラッドと顔を合わせた。

「おはよう、エレン」

(……あれ…?)

「おはよう、…コンラッド…」

(もしかして何も聞いてない?あの騎士の人、本当に別人だって思ってくれたのかな?)

私がそう思うほどにコンラッドから何も言われなかった。

なんだーそっかーと満足していると、席に座ったコンラッドはにこりと笑って「ありがとう」といった。

(あれ、今お礼を言われるような会話していたっけ…?)

と思ったが、よくわからないまま「どう、いたしまして?」と首を傾げたのだった。

そしてそのまま6年が経って、遂に学園を卒業する年になった。

この6年色々なことがあった。

まず学園の中での話をあげるとなると

一つ、聖女の男漁りが何度もあった。

流石に分別を付けてくれた男性たちは鼻の下をのばさなくなったから、あまりコンラッドには頼らずに、私が直接聖女に話をした。

男漁りが繰り広げられるたびに何度も、…そう何度も。

ちなみに後で「エレン公爵令嬢が私をいじめるの~」と言いふらしても対処できるように、魔法を使ってコンラッドに状況を見てもらった。

二つ、何故か聖女派と私派の派閥というものが生まれた。

まぁこの学園は貴族しか通っていない為、婚約者を狙われまくった女生徒たちは全て私側の味方となったが、

それでも鼻の下をのばした男たちは結局婚約解消し、そのまま聖女の側についたのだ。

まぁ聖女の側についたとしても、別に痛くもかゆくもないのだが。

三つ、聖女が思ったより魔力を持っていないことが分かった。

一般人と比べて確かに魔力量はあるだろう。

でもそれは一般的な同じ年齢の女性と比べて、だ。

同じ年齢の男性と比べたら、同じくらいの魔力量か、少し少ないくらいだ。

寧ろ私の方があるだろうという感じで、知らないうちに聖女とコンラッドの婚約話の噂はなくなっていった。

学園以外の話をしよう。

まずなんと遂に魔物討伐の許可が与えられたのだ。

勿論15歳の段階でランクが上がり、既に許可は下りていたのだがこの時はまだ複数人でという条件付きだった。

17歳でBランクになった時、やっと一人で活動できる許可が下りた。

なのでここからは儲けまくりのひゃほーいって感じ。

二つ目、何故か女神が私に定着してしまった。

赤髪ではないのに、あの男の子だけではなくて他の大人たちも私の事をそう認識しているのだ。

赤髪の女の人があらわれないように祈る毎日である。

え?だって出会っちゃったら、「皆を騙しているこの嘘つき女が!」とかなんとかいわれちゃうじゃない。

まぁ、でも町の住人たちはとてもいい人達ばかりで、よく声をかけてもらえるようになった。

三つ目、私の父親でもある男が捕まった。

男が捕まっただけで、私や母、そして兄には影響はなく、公爵の地位もそのままというなんとも寛大な措置をしてくれた。

しかも驚いたことに兄が父親の書斎をひっくり返して奴隷商売の店のリストを王家に提出したらしい。

腐った金を運用したくないと、まっすぐで誠実な兄の行動に父への咎で許してくれたのだ。

母親の所為で全く関わることがなかった兄だけれども、素晴らしい人だと思った。

ちなみに兄は公爵家保有している領地の一つに母を送ったらしい。

今あの公爵邸には兄一人で、他は執事やメイド達が住んでいるという事だ。

つまりあの家から出たいと願っていた原因を兄が取り除いてくれたのだ。

(でも兄が結婚したらそれこそお邪魔虫よね) と思うと、このまま平民になってもいいと思う。

まぁこんな感じで結構濃厚な出来事が色々この数年で起きたというわけだ。

そして学園を無事に卒業した私は、コンラッドと共に王城にやってきていた。

(…なんで?)

「陛下、卒業を機に私は婚約者のエレン・ペイジーと結婚致します!

どうか許可を!」

壇上の椅子に腰かけている陛下を見上げて、コンラッドが声を上げた。

その内容に私の目は点になる。

「あい、わかった。

エレン・ペイジー公爵令嬢との結婚を…」

「ちょっと待った!!!」

考える間もなく承諾しようとする陛下の言葉を遮ったのは私ではない。

バンっと両開きの扉を勢いよく開けて、許可もなく入ってきた聖女、ミヤザキアオイだった。

「まってください!殿下は聖女である私と結婚するべきです!」

「…何を言っているんだ君は。

どこにそんなことをする理由がある」

「理由ならありますわ!まずその女…エレン公爵令嬢は悪女なのです!」

「悪女、だと…?」

ギラリと目つきがするどくなったコンラッドに、ミヤザキアオイは気付かないのか声高らかに続ける。

「ええ!まずエレン公爵令嬢は私を呼び出してしかりつけましたわ!

手は出さなくとも、言葉は刃物です!簡単に人の心を傷つけるのです!

それにいつも私が主催するお茶会に顔を出しては下さいませんでした!

公爵令嬢がこないとなると、他の令嬢たちも来て下さらないのですよ!?

私あの学園で友達一人も作ることができませんでした!ひどすぎませんか!?

エレン公爵令嬢は私を遠回しにいじめたのです!悪い人がする手口です!

殿下!こんな悪い人と結婚なんてするべきではありません!

陛下も!こんな悪女が国民を大切にしてくれると思いますか?!見直すべきです!」

ふふんと、言ってやったぜ的な雰囲気を醸し出して腰に手を当ててドヤ顔している聖女サマに私は目を閉じた。

呆れてである。

「………まず君は呼び出された原因に心当たりはあるか?」

「ありません!」

「はぁ……、まず多くの令嬢達から君に対する苦情が多く寄せられている」

「それはエレン公爵令嬢が私を嵌めている結果じゃないですか!?」

「明らかに違うな。私も確認していることだ。

まず、君は婚約者がいる子息達に近寄ったな?」

「友達作りがそんなにいけないんですか?!」

「友達作りに、胸を二の腕に押し付けたり、下着を見せつけたり、膝枕をしたり、抱き着いたり、耳元でささやく必要もない言葉をわざわざ囁いたり、意味もなく異性の太ももを撫でまわしたりなどしない」

「軽いスキンシップじゃないですか!」

「君の世界では軽いスキンシップかもしれないが、この国では婚約者でもない相手にそのような行為をするのは”ふしだら”…つまり、男女関係について節操のない人間だと思われるのだ」

「酷いです!!!」

「君はこのような行為を複数の男性に何度も繰り返して来たな。

その度に全ての子息達にではないが、婚約者の令嬢たちを蔑ろにし始める男共に”僕自ら””直接”苦言を呈したのだ。

ちなみに一部の令嬢たちは耐え切れず、婚約解消している」

「でもただの友達ですよ!それに婚約解消したってことは結局愛がなかったんですよ!」

「その君流の友達作りで、迷惑を受けた人たちは大勢いるのだ。

貴族の結婚はただの恋愛ごっこではない、そこにしっかりとした家同士の契約がある。

勿論、政略結婚でも愛が生まれれば幸せな家庭を作れるだろう」

ここでちらりと私を見るコンラッドに、とりあえずにこりと微笑んでおいた。

「君は学園に在籍する間ずっと、そう……ずっとそうだった。

エレンが君にやめるように促したときも、やめなかった。

君はいったな?”私が主催するお茶会に顔を出してはくれなかった”と。

だがエレンが君を招待した時、君は来なかっただろう!? 僕でさえ女子寮を理由にお茶を一緒に飲めなくなったのに!!!!

『友達作りなら是非参加しませんか?』」と天使のような、、、いや!女神のような微笑みでお前に手を差し伸べたのに参加しなかったのはお前だ!!!!

何がいじめだ!!! 僕だってエレンに誘われたい!! 一緒に遊んだり、一緒にお菓子を食べたりお茶を飲んだり、面白い本の感想を語ったりしたい!!!!

エレンの所為で友達一人も作ることはできなかっただと!?お前のそのふしだらな行為が原因なだけじゃないか!!!」

はぁはぁと息を荒げるコンラッドに、私も聖女も目が点になった。

ちなみに殿下の側にいつもいる従者や護衛の方、そして陛下はやれやれといった感じだった。

「最初はよかった。朝早くにエレンに会えて、一緒に登校して、一緒に遊ぶことは出来なくても、いつも隣にエレンがいて、そんな環境で学ぶことが出来て

昼食の時間もささやかな会話を楽しみながらエレンと一緒にご飯を食べることが出来る。なんという幸せなひと時なんだと僕は学園生活に感謝したよ。

だが、徐々に崩れ去ったんだ。

ある聖女と名乗る女が入学してから!!!! エレンとはずっと行動してこれたよ!!!でもな!!!!

徐々に疲れたような雰囲気をだすエレンに僕の胸が締め付けられた!!!

そして話す会話もお前の話が大半を占めるようになった!!!  エレンの日常に僕は興味があるのであって、お前の話なんて聞きたくないんだ!!!

そしてあの日、エレンから胸が張り裂けそうな言葉を告げられたんだ!!!

婚約解消を!!!!! 僕の好きな人はエレンなのに!!! お前がきっかけで僕は好きな人から別れを告げられたんだぞ!?

お前に僕の苦しみが分かるか?!!?」

一度深呼吸をして、さらに言葉を続けるコンラッド

口ははさめる雰囲気ではなかった。

「そこから立て続けに僕にとっての悲報が続いたよ…。婚約を解消したくない僕は必死になんとか挽回するために色々考えた。

でもさすがはエレンだ。僕の女神は、国民の女神でもあったんだ」

くるりコンラッドが手を広げなら振り向いた。

「『赤髪の女神』エレンも知っているよね?」

「は、はい……」

私じゃないと主張しているのに、何故か私の事になっているのだ。知らないはずがない。

「それはエレンの事なんだ」

「いえ、…私では「赤髪じゃないじゃない!?」…ですよ」

「いや、正真正銘エレンの事だ」

スッとコンラッドが手を挙げると、どこからともなく水晶を持って男が現れる。

「ごめんね、エレン。ちょっと魔力を注いでくれると助かる」

コンラッドが私にそうお願いしたのは、私の魔力量が多いからだ。

内緒にしておこうと思ったのに、授業の一環で魔力量測定というものがあってバレた。

「わかったわ」

何故魔力を注がなくてはいけないかの理由はわからなかったけど、コンラッドは私に不利になるようなお願い事はしない。

魔力を注ぐと水量は真っ白になり、光が漏れだす。

水晶の上部分にうっすらと映像が映し出された。

茶色いローブを被った一人が町の上空にいきなり現れた。

そして風が吹いてフードがめくれる。

「エレンの美しい銀髪に、赤い炎が照らされたんだ。

こうして周りに炎がなければ銀髪にちゃんとみえる。でも見る角度によっては”赤髪”にもみえるんだよ。

これが赤髪の女神の正体。そして今国民の間で話題になっているのが、僕の女神であるエレンなんだ」

「…あ…」

「こ、こんなの…」

「君はいったな?国民の為に考え直すべきだと。

国民に称賛されている彼女を何故王家に迎え入れてはいけない?根拠は何だ?

…エレンには悪いが、この6年間王家としてエレンの行動は常に監視してもらった。

国民に寄り添うエレンの姿はしっかりと評価されている」

寄り添うというより、冒険者として活動していただけなのだけれど…。

「さぁ彼女ではなく、君を受け入れなくてはいけない理由を教えてもらおうか?」

ミヤザキアオイは崩れ落ちた。

無理もない。王族にしか持たない威嚇を放たれて、平然を保てる人なんていないのだ。

私に向けられたものでないのに(こっわーーー!!!コンラッド怖すぎるうう!)って内心冷や汗だらだらなのだ。

「おっほん」

陛下の咳払いにコンラッドが向き直り、私の隣に並んだ。

「では、我が息子コンラッド・ヴェステリアとエレン・ペイジー公爵令嬢との結婚を許可する」

陛下は立ち上がって声高らかに宣言した。

「きゃ!!!?」

嬉々とするコンラッドは、私の脇の下に手を潜り込ませて、そのまま私を持ち上げるとぐるぐると回った。

「やった!!!!エレン!!!これでエレンは僕の妻だよ!!」

「は、…はは…」

「嬉しくないの?エレンは僕の事嫌い?」

悲しそうな顔で見上げるコンラッドに私は苦笑する。

処刑されるくらいなら、平民になって自由に生きていこうと心に誓って色々準備してきたけれど。

ずっと大切にして、愛してくれるコンラッドとなら王子妃として頑張っていってもいいかな

そう思えるくらいには

「勿論、…大好きよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

王子殿下はエレンちゃんに一目惚れです。

そしてお兄ちゃんは、本当はエレンちゃんと仲良くしたかったけど、厳しい母親の教育でエレンちゃんに構うことが出来ず(しかも時間を見つけて会いに行くと大体寝込んでいる)、公爵当主となったお兄ちゃんは母親を追い出しました。

ちなみにエレンちゃんの病弱体質は魔力量が多かったからです。高熱がきっかけとなり魔法が使えるようになったエレンちゃんは、そこから体内に流れる魔力も正常になって健康体になったというふんわり設定でした。

 

 

 

 

如何でしたでしょうか。

 

わたしも読みましたが、

とても引き込まれる展開で

面白かったです!

内容もわかりやすくて

サクサク読めました^^

 

嫁さんが「小説家になろう」のサイトで投降したのですが

デイリーランキングでなんと14位と喜んでおり

わたくしも目玉が飛び出そうなほど驚きました!

 

 

こちらのサイトに投稿しています

https://mypage.syosetu.com/1740094/

 

 

ではでは!またお会いしましょう^^